頭痛には、生命の危険がある頭痛とそうでないものがあります。前者には、くも膜下出血・脳出血・髄膜炎・脳腫瘍などに伴う頭痛があり、後者の代表的なものとしては片頭痛・筋収縮性頭痛・群発頭痛などがあります。
くも膜下出血に伴う頭痛は突然発症する非常に激烈な頭痛です。また脳出血や脳腫瘍でも頭痛が起きることはあります。このように何らかの疾患に伴って起きる頭痛を症候性頭痛(または二次性頭痛)と言い、多くは生命の危険性を伴う頭痛です。これらの頭痛の診断には、詳細な問診、身体診察、頭部CTなどの画像診断という専門医による診察が必要です。
突然の頭痛、これまで体験したことがないほど強い・激烈な頭痛、高熱や意識障害を伴う頭痛、片方の手足が動きにくい・しゃべりにくい・物が飲みこみにくいなどの身体症状を伴う頭痛の場合はすぐに脳神経内科もしくは脳外科の診察を受けましょう。
くも膜下出血・脳出血・脳腫瘍・髄膜炎などの原因疾患がない頭痛を機能性頭痛(または一次性頭痛)と言います。まずは問診・身体所見・画像診断などで頭痛をきたす原因疾患がないか、生命にかかわる頭痛ではないかを除外した後に、機能性頭痛との診断がつきます。
機能性頭痛には片頭痛・筋収縮性頭痛などがありますが、片頭痛は頭部の動脈が拍動性に痛くなる(正確には動脈周囲の三叉神経からの痛みです)頭痛で、その痛みは非常に強く仕事・勉強・家事などの日常生活動作ができない場合も多く、一般的な鎮痛薬は無効な事が多い頭痛です。その原因にはセロトニンというホルモンの不足が関与しており、治療としては体内でセロトニンに変化する薬剤(トリプタン製剤)を使用します。
片頭痛に比べると筋収縮性頭痛は程度の軽い場合が多く、その原因は肩こり~首周囲の筋緊張~頭周囲の筋緊張と言われています。この頭痛は通常の消炎鎮痛剤や筋肉の緊張をとる薬などで治療します。
これら頭痛の診断・加療も脳神経内科・脳外科で行っています。頭痛にお悩みの方は、一度受診されてみてはいかがでしょう。