むずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群)
脚がむずむずする、脚を動かしたくて我慢できなくなる、ほてる、かきむしりたくなる・・・など脚に何とも言えない不快な感じがありませんか?その症状が就寝時や夕方から夜にかけてあらわれたり、強くなったりする方はもしかしたらむずむず脚症候群かもしれません。
むずむず脚症候群には治療法があるのをご存じでしょうか。
この病気は患者さん本人も病気であるとの自覚がないことが多く、またどんな診療科に行けば診断・治療ができるのかがわからず、治療せずに放置されている場合が多くあります。
もし、あなたの症状がむずむず脚症候群と疑われる場合には、神経内科専門の医師にご相談されてみてはいかがでしょうか?
むずむず脚症候群は、“レストレスレッグス症候群(restless legs syndrome:RLS)」”“下肢静止不能症候群”とも呼ばれ、主に下肢に不快な症状を感じる病気です。夜眠ろうとベッドに入ったときや、列車や飛行機、映画館などでじっと座っているときに、脚の内側から不快感が起こり、脚を動かすと和らぐといった特徴があります。「レストレス(restless)」とは「そわそわした」、「絶え間なく動く」という意味です。比較的女性に多く、加齢に伴い発症する確率が高くなりますが、若年者も罹患することは多い疾患です。
病気の原因は、脳の中で神経細胞間の連絡役となっている「ドパミン」というホルモンがうまく働かなくなる事といわれており、パーキンソン病の発症機序と重なる部分が推測されています。
その他に二次性のむずむず脚症候群として、鉄欠乏性貧血、透析(末期腎不全)、糖尿病、リウマチ、パーキンソン病などほかの病気や妊娠などが原因で起こるもの、さらに遺伝性のものもあり、現在レストレスレッグス症候群に関係している遺伝子が3種類特定されています。
むずむず脚症候群の診断は、患者さんの訴えが中心となるため、症状の似ている病気との区別が必要です。脚の不快感を正確に伝え、現在治療中の他の病気についても医師に伝えることが重要です。
治療は生活面の改善、原疾患の治療、内服加療などがあります。
- 鉄欠乏性貧血に併発している場合は鉄分の補給、鉄剤内服をします
- 原因となるその他の基礎疾患があれば、その治療をします
- カフェイン・アルコール・タバコなど睡眠を妨げるものを控えます
- 睡眠状態の改善:規則的な睡眠・就寝前に脚のマッサージをする等も有効です
- ドパミンアゴニスト・Ldopaなどパーキンソン病の治療薬を使用します
- 抗けいれん薬も有効な場合があります
このように、むずむず脚症候群はどこの病院に行っていいのかがわからない場合も多く診断に至るまでに時間を要する場合も多い病気です。治療薬のなかでも、パーキンソン病の治療薬は有効であることが多く、心当たりのある方は神経内科医に早めに相談されてみてはいかがでしょうか。
たついクリニック院長
長堂竜維